2018年1月7日

2018年1月7日号



【ニュース・ヘッドライン】

  • Progenics社、傍神経節腫用薬の承認申請が受理 
  • GW社、経口カンナビジオール液を承認申請 
  • Achaogen社、新規抗生物質を承認申請 
  • ChemoCentryx、ANCA関連血管炎治療薬をEUに承認申請 
  • ランマークを多発骨髄腫に用いることが米国でも承認 


【承認申請】


Progenics社、傍神経節腫用薬の承認申請が受理
(2017年12月29日発表)

米国NYの新興医薬品開発会社、Progenics Pharmaceuticals(Nasdaq:PGNX)は、FDAがAzedra(iobenguane I 131)の承認申請を受理し審査期限を18年4月30日に設定したと発表した。ノルエピネフィリン再取込トランスポータの基質にiodine-131を標識した放射線療法薬で、悪性/再発性の切除不能な、褐色細胞腫などの傍神経節腫に用いる。

後期第二相試験では、25%の患者が降圧剤を半減することができた。二次的評価項目であるRECISTベース疾病安定化率は92.2%、完全反応はなかったが部分反応率は23.4%だった。

リンク: Progenics社のプレスリリース

GW社、経口カンナビジオール液を承認申請
(2017年12月28日発表)

英国ロンドンのGW Pharmaceuticals(Nasdaq:GWPH)は、Epidiolex(cannabidiol)を欧米で承認申請し、米国の審査期限は18年6月27日に設定されたと発表した。大麻の成分の一つであるカンナビジオールの経口液で、幼小児期に発症する難病であるレノックス・ガストー症候群やドラベ症候群の治療に用いる。

レノックス・ガストー症候群の171人(平均15歳)を組入れた第三相試験では、20mg/kg/日を投与した群の失立発作頻度が44%減少し、偽薬群の22%減を有意に上回った。ドラベ症候群試験(120人、平均10歳)では痙攣発作頻度が各39%と13%減少し、これも統計的に有意。主な有害事象は下痢、傾眠、食欲低下、発熱、嘔吐など。

リンク: GW社のプレスリリース(米国申請、12/28付け)
リンク: 同(欧州申請、12/29付け)

Achaogen社、新規抗生物質を承認申請
(2018年1月2日発表)

米国サンフランシスコのAchaogen(Nasdaq:AKAO)は、FDAがACHN-490(plazomicin)の承認申請を受理したと発表した。多剤耐性菌にも活性を持つアミノグリコシド系抗生剤で、複雑性尿道感染症(腎盂腎炎を含む)やカルバペネム耐性腸内細菌などによる菌血症で、他に治療方法がない、あるいは限られる患者に用いる。

複雑性尿道感染症の第三相では奏効率がmeropenem比で非劣性だった。カルバペネム耐性腸内細菌による菌血症では、全死亡率が11.8%とcolistin群の40.0%を有意に下回った。前者の試験では腎臓有害事象が増加したが、後者はcolistin群のほうが多かった。

EUでも2018年に承認申請する予定。

リンク: Achaogenのプレスリリース(pdfファイル)

ChemoCentryx、ANCA関連血管炎治療薬をEUに承認申請
(2018年1月4日発表)

ChemoCentryx(Nasdaq:CCXI)は、CCX168(avacopan)をEUで承認申請し受理されたと発表した。C5a受容体を選択的に阻害する経口薬で、ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎の治療に用いる。第二相のCLEAR試験などに基づいて条件付き承認を求めている。米国は16年に開始した第三相試験の結果を待って承認申請する考え。

ANCA関連血管炎は自己免疫疾患の一つで、欧米の患者数は9万人と推定されている。C5a受容体は補体カスケードに係る受容体の一つ。CLEAR試験では、rituximabまたはcyclophosphamideによる標準療法に加えてprednisone(開始用量60mg/日)、prednisone(半量)とCCX168(20mgを一日二回投与)の併用、またはCCX168だけを投与したところ、12週時点の奏効率が各70%、86.4%、81.0%となり、CCX168の二群ともprednisone群比非劣性だった。

CCX168はドイツのフレゼニウス(Xetra:FRE)とスイスのVifor Pharmaの合弁会社が米国や中国以外の商業化権を保有している。

リンク: ChemoCentryx社のプレスリリース


【承認】


ランマークを多発骨髄腫に用いることが米国でも承認
(2018年1月5日発表)

アムジェンは、FDAが抗RANKL完全ヒト化抗体のXgeva(denosumab、日本は第一三共のランマーク)を多発骨髄腫の骨合併症予防に用いる適応拡大を承認したと発表した。

第三相の482試験に基づくもので、骨関連事象(骨折や骨の放射線治療あるいは手術など)がゾレドロン酸群と非劣性だった。副次的評価項目として優越性解析も行われたが有意差はなかった。

一番良かったのは死亡者が増えなかったこと。ハザードレシオ0.90、95%信頼区間は0.70~1.16だった。過去に行われた試験で浮上した疑惑が払拭されたことになる。

リンク: アムジェンのプレスリリース





今週は以上です。

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