2017年1月15日

2017年1月15日号


【ニュース・ヘッドライン】

  • キイトルーダ、肺癌用途で更に用法追加申請 
  • ロシュ、Tecentriqの一次治療適応拡大を申請 
  • 静注用rolapitantは審査完了通知 
  • ギリアドのベムリディ、EUでも承認 



【承認申請】


キイトルーダ、肺癌用途で更に用法追加申請
(2017年1月10日発表)

MSDは、Keytruda(pembrolizumab、和名キイトルーダ)の用法追加申請がFDAに受理されたと発表した。転移性NSNSCLC(非扁平上皮性非小細胞性肺癌)の一次治療としてAlimta(pemetrexed)及びcarboplatinと併用するもの。審査期限は5月10日。承認されれば抗PD-1抗体の化学療法併用として初。非小細胞性肺癌用途における他社品との差を更に拡大できることになろう。


非小細胞性肺癌用途では単剤で一次治療又は二次治療を行うことが承認されているが、対象はPD-L1高発現癌に限定されている。一方、今回の申請はPD-L1不問であることが特徴。EGFRやALKに活性化変異のある癌は適応外。用量は200mg(3週間毎に点滴静注)で、最近の申請は体重相関(血中濃度重視)ではなく200mg決め打ちが多い。

承認申請のエビデンスとされたのはP1/2試験であるKEYNOTE-021試験の第2部、Gコフォートの反応率データ。三剤併用群のORRは55%、Alimta・carboplatinの二剤だけの群は29%、PFS(無進行生存期間)のハザードレシオは0.53、メジアン値は各群13.0ヶ月と8.9ヶ月だった。治療関連深刻有害事象の発生率は各39%と26%だった。クロスオーバーのためか、全生存期間は大差なかった。

リンク: MSDのプレスリリース
リンク: Langerらの治験論文(Lancet Oncology誌)

ロシュ、Tecentriqの一次治療適応拡大を申請
(2017年1月9日発表)

ロシュは、Tecentriq(atezolizumab)の適応拡大申請がFDAに受理されたと発表した。局所進行性転移性尿路上皮腫の二次治療薬として承認されているが、承認されれば、cisplatinが不適な患者の一次治療に用いることが可能になる。第二相試験の反応率データに基づく申請。子の治験の登録によると、cisplatin不適の要件は、腎機能低下、聴力低下、グレード2以上の末梢神経症、ECOGパフォーマンススコアが2、の何れか。

リンク: ロシュのプレスリリース

【承認審査・委員会】


静注用rolapitantは審査完了通知
(2017年1月11日発表)

TESARO(Nasdaq:TSRO)は遅発性化学療法誘導性悪心嘔吐治療薬Varubi(rolapitant)錠の静注用製剤をとしてFDAに承認申請していたが、審査完了通知を受領した。生産委託先で懸念が生じたためTESAROは別の会社に切り替えたが、FDAは同等性に疑問を持っているのか、in vitroにおける同等性の検証方法に関する追加データの提出を求めた模様。

簡単に回答できる内容なら審査期限延長程度で済むだろうから、難しい問題なのかもしれない。

rolapitantはOpko Health(NYSE:OPK)がシェリング・プラウから権利を取得しTESAROに独占開発生産販売権を供与したもの。TESAROはMGI(後にエーザイが買収)で制吐剤Aloxiを商業化したメンバーが設立した会社。

リンク: TESAROのプレスリリース

【承認】


ギリアドのベムリディ、EUでも承認
(2017年1月11日発表)

ギリアド・サイエンシズ(Nasdaq:GILD)はVemlidy(tenofovir alafenamide fumarate、和名ベムリディ)がEUでB型肝炎ウイルス治療薬として承認されたと発表した。米国では昨年10月、日本でも同年12月に承認されている。テノホビルの新しい塩で分布が良いため少量で足り、副作用リスクが小さい。

リンク: ギリアドのプレスリリース




今週は以上です。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

0 件のコメント:

コメントを投稿