2014年8月3日

2014年8月3日号




【ニュース・ヘッドライン】




  • エボラ出血熱の感染者は過去最高規模に
  • JNJが電動細切器を自主回収
  • 優先審査バウチャーを買って抗PCSK9フルヒト抗体を承認申請へ
  • アーゼラのメンテナンス療法試験が成功
  • イナビルの海外第二相はフェール
  • バクスター、FDA諮問員会がHyQviaを支持
  • ベーリンガー/リリーのSGLT2阻害剤が米国で承認
  • ベーリンガーのLABAが米国で承認
  • Btk阻害剤の適応・効能追加
  • FDA、Lumizymeの用途限定を解除
  • 欧州でロシュのCLL用薬などが承認


【今週の話題】


エボラ出血熱の感染者は過去最高規模に

(2014年7月31日発表)

WHO、CDC(米国疾病管理予防センター)、外務省などが、相次いで、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生を警告している。CDCは7月31日にギニア、リベリア、シエラレオネに対する渡航注意をレベル3に引き上げた。外務省は従来から政情不安を理由に渡航延期を勧告しているが、エボラ出血熱に関する情報も追加した。WHOによるとナイジェリアでも死亡者が出たようだ。

エボラ出血熱はウイルス感染症で、1976年にザイール(現在はコンゴ民主共和国)やスーダンで確認され、431人が死亡した。95年以降も数年おきに比較的大きな感染が発生、95~97年は318人、2000~04年は486人、07~09年は239人が死亡した。これまではコンゴ民主共和国周辺が多かったが、今回は今年3月にギニアで発生、周辺国に広がり7月27日現在で1323人が感染、729人が死亡と過去最大規模だ。76年以来の死亡者は1789人に達した。

病原性が高く、1976年のケースではザイールの死亡率88%、スーダンは53%だった。今回もギニアは73%、リベリアは47%となっている。死亡率に差がある原因は明らかではない。感染が広がるうちに毒性が低下するのかもしれないが、こういう病気・データは監視体制、医療の充実度、全般的な衛生水準など色々な要素が影響するので何とも言えない。ウイルス検査が行われない症例もあるだろうし、発症しない感染者もいるかもしれない。

米国人も三人が感染したが、うち二人は医療従事者。周辺国でも救援に行って感染した例があるようなので、言うまでもないことだが、十分な注意が必要になる。エボラウイルスは空気感染や飲食による感染のリスクは小さいと言われているので、感染者の血液や体液に触れないことが最重要になる。感染していても症状のない人からはうつらないと言われているが、分かったものではないだろう。

予防・治療薬はない。患者によっては出血防止や電解質補充といった対症療法で助かる場合もあるようだ。

新薬では、猿の試験で良績を上げたものが三種類ある。何れも米国防衛相の補助金を受けている。論文刊行時に大いに注目されたRNA介入薬二剤は順調には進んでいない。一つはSarepta Therapeutics(Nasdaq:SRPT)のAVI-6002で、第一相試験に進んだが、補助金打ち切りで開発ストップ。もう一つのRNA介入薬がTelmira Pharmaceuticals(Nasdaq:TKMR)のTKM-Eboraで、第一相に進んだが、サイトカイン放出症候群が見られたため、7月にFDAが治験中断を求めた。

その中で希望が寄せられているのがバイオクリスト(Nasdaq:BCRX)のadenine系抗ウイルス薬、BCX4430だ。エボラに類似したウイルスであるMarburgウイルスに感染させ24時間後に投与したところ、6頭中6頭が30日以上生存。対照群は6頭とも12日以内に死亡した。48時間誤投与でも30日生存率は6頭中5頭だった。

in vitroの試験ではエボラに対してもMarburgの半分程度の力価を示した由であり、一方、正常細胞に対する安全性マージンは10~50倍あるとのことなので、人間の治療にも効く可能性がありそうだ。

問題は、臨床試験のエビデンスに乏しいこと。エボラは米国ではほとんど発生しないのでアフリカで治験するしかないが、深刻な疾患なのでキチンとした臨床試験を行うのは難しいだろう。何とか上手い開発方法を見つけてほしいものだ。

承認されている薬の適応拡大に関する前例では、肺炭そに対するフルオロキノロンは、サルの試験だけに基づいて薬効が認められた。また、アレキシオン(Nasdaq:ALXN)の抗C5ヒト化モノクローナル抗体Soliris(eculizumab、和名ソリーアリス)は、ドイツで非定型溶血性尿毒症症候群が多数発生した時にオフレーベルで使用されたようだ(後に正式承認)。

リンク:エボラ発生状況に関する報告(WHO)

リンク:CDCのエボラ出血熱に関する情報サイト

リンク:CDCの渡航延期勧告(ギニアなど)

リンク:外務省のギニアに関する渡航情報

JNJが電動細切器を自主回収

(2014年7月30日発表)

ロイターの報道によると、ジョンソン・エンド・ジョンソンは腹腔鏡下電動細切除去器の自主回収を始めた。FDAが安全性の再検討を始めたことから4月に販売を中断していた。

4月20日号に書いたように、米国では年間25~30万件の子宮筋腫摘出術が施行され、うち10%強は腹膜鏡下電動細切術だ。非侵襲的な治療法として広く利用されていたが、もし細切した腫瘍に悪性腫瘍が混じっていた場合、裁断された腫瘍が腹腔や骨盤に散らばってしまうリスクがある。FDAの推定によると、子宮・子宮筋腫摘出術を受ける女性の350人に一人の割合で、平滑筋肉腫などの子宮肉腫が発見される。確率としては決して高くはないが、母集団が大きいだけに軽視できない。

一部の医療施設は袋の中で裁断することで飛散を防ぐ工夫を行っているが、これなら安全とは言えないようだ。

リンク:ロイターの報道(2014年8月3日アクセス)

【新薬開発】


優先審査バウチャーを買って抗PCSK9フルヒト抗体を承認申請へ

(2014年7月30日発表)

リジェネロン(Nasdaq:RGEN)と開発販売パートナーであるサノフィは、抗PCSK9完全ヒト化抗体であるREGN727/SAR236553(alirocumab)の9本の第三相試験が成功したことと、バイオマリン(Nasdaq:BMRN)から6750万ドルで購入した希少小児疾患優先審査バウチャーを用いて年内に欧米で高脂血症治療薬として承認申請する予定であることを発表した。

アムジェンも年内に同じ抗PCSK9完全ヒト化抗体であるAMG145(evolocumab)を承認申請する予定。どちらも優先審査の可能性があるように思われるが、より確実な手段を選んだのだろう。67億円は大きな金額だが、第三相試験の費用全体と比べれば大したことない。

今回の発表で注目されるのは、全ての被験者で1年以上投与した段階で行われた心血管メタアナリシスだ。MACE(心臓死、心筋梗塞、卒中、入院が必要な不安定狭心症;第三者が診断を検証した)の発生状況を対照群と比較したところ、有意に少なかった由。全般的な安全性の解析は事前に設定されたものだがMACEの解析はポストホックである由なので信頼性は十分ではないが、12年に開始された急性冠症候群歴を持つ患者の心血管アウトカム試験に期待を持たせる内容だ。18年頃に結果が判明する見込み。

米国は希少疾患や感染症薬を開発するインセンティブとして、新薬が承認された後で優先審査バウチャーを交付する制度を導入した。通常は承認審査が受理されてから合否が判明するまで10ヶ月掛かるが、このバウチャーを使えば6ヶ月に迅速化される。自社が承認申請する時に使っても良いし、他社に売っても良い。どの程度の金銭的価値があるのか興味を持っていたが、意外に高かった。ケースバイケースなのだろうが、開発競争が激化しているのは抗PCSK9抗体だけではないので、今後はもっと値上がりするのではないか。

リンク:両社のプレスリリース

リンク:承認申請に関するプレスリリース

アーゼラのメンテナンス療法試験が成功

(2014年7月31日発表)

グラクソ・スミスクラインとジェンマブ(OMX: GEN)は、抗CD20完全ヒト化抗体のArzerra(ofatumumab、和名アーゼラ)の第三相慢性リンパ性白血病維持療法試験が成功したと発表した。再発時の治療に反応した患者に、Arzerraを8週間に一回の頻度で最長2年間、投与したところ、中間解析でPFS(無増悪生存期間)が何もしなかった患者を有意に上回った。

現在承認されている用法は、一次治療が月一回で最長1年、二次治療は倍の量を月一回、最大4サイクル。患者一人当たりの薬剤費は大差ないかもしれないが、出番が増えるだろう。メンテナンス療法以外では競合品が増えたので尚更重要だ。

リンク:両社のプレスリリース

イナビルの海外第二相はフェール

(2014年8月1日発表)

オーストラリアのBiota Pharmaceuticals(Nasdaq:BOTA)は、laninamivir octanoateの第二相試験がフェールしたと発表した。12ヶ国639人の患者を偽薬、40mg、80mgの三群に無作為化割付してインフルエンザ罹病時間を比較したところ、メジアンで各群104.1時間、102.3時間、103.2時間となり有意な差が見られなかった。同社は自社単独での開発を断念した。

この吸入用長期作用性ノイラミニダーゼ阻害剤は第一三共との共同研究・開発の賜物で、2010年に日本でイナビルとして承認された。日本で成人治療に承認されている40mg以上を使ったのに何故、海外ではフェールしたのか?理由はいろいろ考えられる。第一は、インフルエンザ治療薬の効果は穏やかなので何かの拍子に有意差が出ないこともあるだろう。

第二は治験が行われた時期の違い。イナビルやラピアクタのタミフル(oseltamivir)対照非劣性試験が実施された頃はタミフル抵抗性を持つウイルスが少なくなかったため非劣性のハードルが低かった可能性がある。2009年以降に流行した新型H1N1ウイルスでは未だ少ないため、今実施すれば違った結果が出るかもしれない。

第三は、海外でフェールした薬が日本では試験が成功し承認されるということは時々起きる。ノバルティスのディオバンのアウトカム試験が一例だ。

勿論、人種の違いも影響したかもしれない。吸入用薬なので経口剤よりも個人差が出やすいだろう。

リンク:Biotaのプレスリリース

【承認審査・委員会】


バクスター、FDA諮問員会がHyQviaを支持

(2014年7月31日発表)

バクスター・インターナショナル(NYSE:BAX)は、FDAの血液製剤諮問委員会がHyQviaの承認を賛成15人、反対1人で支持したと発表した。米国の諮問委員会は特定の問題を議論するだけで強制力はないが、他の会社にもインプリケーションがあるので、FDAの最終判断が注目される。

HyQviaは原発性免疫不全症候群の治療薬で、ヒト血漿由来の免疫グロブリンと、ハロザイム社(Nasdaq:HALO)の遺伝子組換え型ヒト・ヒアルロニダーゼ(rHuPH20)のセット製品。初めにrHuPH20を皮注すると細胞外基質のグリコサミノグリカン・ヒアルロンが一時的に零落し、免疫グロブリンを皮注する時の投与可能量や生物的利用率が向上する。生物学的製剤は皮注に適さないものが多いが、この技術を使えば静注用薬を皮注で使うことができるかもしれない。

欧州では2013年12月に一部の二次性低ガンマグロブリン血症向けと合わせて承認された。一方、FDAは、rHuPH20に対する抗体ができるリスクを懸念しているようだ。単剤投与時には稀だが、生物学的製剤と同時に使うと発生率が高まることがあるようで、Viropharma(Nasdaq:VPHM)が実施した遺伝性血管浮腫治療薬Cinryzeの第二相rHuPH20併用皮注試験で多発し、2013年に開発中止になったことがある。ヒアルロニダーゼに対する抗体ができると正常な組織に悪影響を与えるかもしれない。

FDAの要請により実施された前臨床試験では深刻なリスクは見られず、理論的な懸念に留まっている模様だ。それでもFDAが警戒しているのは、おそらく、潜在的なリスクと見返りに得られるものが利便性だけであり便益が危険を上回るという承認基準とそぐわないからだろう。

rHuPH20は、欧州で承認された、ロシュのHerceptinの皮注用製剤にも使われている。30分点滴静注の薬が5分で皮注できるので、早期乳癌の摘出に成功しアジュバント治療を受ける患者には便利だ。再発リスクが残るとはいえ癌ではなくなった患者が対象なので、通勤したり日常生活を円滑に行う便益は重要である。もしrHuPH20の安全性が確認されるならば、応用範囲が広いので、他の会社にもインプリケーションがある。

リンク:バクスターのプレスリリース

リンク:Cinryzeの試験に関するHalozymeのリリース(2013年8月1日)

【承認】


ベーリンガー/リリーのSGLT2阻害剤が米国で承認

(2014年8月1日発表)

FDAは、ベーリンガー・インゲルハイムが代謝学分野のパートナーであるイーライリリーと共同開発したSGLT2阻害剤、Jardiance(empagliflozin)を二型糖尿病薬として承認したと発表した。工場の品質管理問題が原因で遅れていたが、6月に警告状が解除され、承認にたどり着いた。腎臓で血液から濾し取られたグルコースがSGLT2により再び血液に輸送されるのを阻害する経口剤。尿道のグルコースが増加するせいか、泌尿器や性器の感染症が増加するリスクがある。

リンク:FDAのプレスリリース

リンク:両社のプレスリリース

ベーリンガーのLABAが米国で承認

(2014年7月31日発表)

FDAは、ベーリンガー・インゲルハイムのStriverdi Respimat(olodaterol、吸入用)をCOPD治療薬として承認したと発表した。一日一回吸入して呼吸能力の悪化を遅らせる。長期作用性ベータ2作用剤で、作用のオンセットも早い。他のLABAと同様に、喘息症の患者に用いると増悪による死亡リスクが高まるという枠付警告が付与された。

リンク:FDAのプレスリリース

Btk阻害剤の適応・効能追加

(2014年7月28日発表)

FDAは、ファーマサイクリクス(Nasdaq:PCYC)がジョンソン・エンド・ジョンソンと共同開発したImbruvica(ibrutinib)の適応・効能追加を発表した。審査期限は10月だったが2ヶ月早かった。このBtk阻害剤は13年にマントルセルリンパ腫に、今年2月には再発性慢性リンパ性白血病に承認されているが、今回、後者の効能にPFSや全生存期間の延長効果が追加され、また、17p欠損型に有効であることが明記された。

何れもofatumumab(和名アーゼラ)対照試験の結果に基づくもので、この用途に用いられている薬同士の比較でありながら、PFSハザードレシオが0.215、全生存は0.434で統計的に有意という、大変良い結果になった。被験者391人中127人を占めた17p欠損型のPFSは0.25と全体の解析と大差ない。このタイプは標準療法に反応しにくいので重要な発見だ。

この試験で見られた重度以上の有害事象は肺炎(10%)など。過去の試験も含めて、5%の患者が有害事象を理由に治験を離脱した。

リンク:FDAのプレスリリース

リンク:JNJのプレスリリース

FDA、Lumizymeの用途限定を解除

(2014年8月1日発表)

FDAは、Lumizyme(alglucosidase alfa)の用途限定を解除した。サノフィの子会社であるジェンザイムのポンぺ病治療薬で、2010年に承認された時点では遅発性の8歳以上の患者だけに限定されていたが、今回、幼児発症型や8歳未満の患者に用いることも認められた。ジェンザイムが提出した資料により、06年に承認されたMyozymeとの同等性が確認されたからである。

バイオ薬の同等性は難しい問題で、だから、バイオ後続品はバイオセイムではなくバイオシミラーと呼ばれる。元々良く分からない薬なので後続品が同じであることを証明するのが難しい。これは、創製した企業の製品でも同じで、生産方法やパッケージを変えると臨床的効果や安全性が変わる可能性がある。一例はエポエチンだ。

アムジェンのライセンスでジョンソン・エンド・ジョンソンが生産した製品で欧州でPRCAという副作用が多発したことがある。米国で販売されているアムジェンの製品では多発しなかった。シーリングが原因であった模様で改良後は聞かなくなったが、学会には異論もありようだ。

Myozumeの場合、歩留まりを上げるために生産プロセスを改善し、FDAの承認を取ろうとしたが、FDAは力価が異なることを理由に中々承認しなかった。別途、品質管理問題が発生し世界的に品不足になったこともあり、Myozymeとは異なる商品名で承認を取得したのがLumizymeだ。08年に承認申請、Myozymeとの同等性が認められたのが14年。この問題の解決は6年掛かりということになる。

リンク:FDAのプレスリリース

欧州でロシュのCLL用薬などが承認

(2014年7月29日、31日発表)

5月のCHMPで肯定的評価を受けた新薬や適応拡大が、EUで承認された。

ロシュのGazyvaro(obinutuzumab)は慢性リンパ性白血病で集中療法に適さない患者の初度治療としてchlorambucilと併用する。同社のRituxan(rituximab)と同じ抗CD20抗体だが、フコース欠如型なのでマクロファージなど免疫細胞との連携力(ADCC活性)が高い。直接比較試験で勝ったので、この用途ではRituxanに取り替わるだろう。米国では昨年11月にGazyva名で承認された。

リンク:ロシュのプレスリリース(7月29日付)

適応拡大では、ヴァーテックス(Nasdaq:VRTX)のKalydeco(ivacaftor)をG551D型以外のゲーティング変異による6歳以上の膿胞性線維症患者に用いることが認められた。希少疾患の更に一部なので、欧州で新たに適応になるのは250人程度。

膿胞性線維症はCFTRという蛋白の遺伝子変異が関与しており、Kalydecoは不完全なCFTRの機能を向上するポテンシエイターとしての作用を持つ。膿胞性線維症の二人に一人で見られるホモF508欠損型には十分な効果は無いが、作用機序の異なる他の開発品との併用試験が進行中。

リンク:ヴァーテックスのプレスリリース(7月31日付)

また、BMSがファーザーと共同開発販売しているEliquis(apixaban、和名エリキュース)を深静脈血栓の治療と再発予防に用いることも承認された。投与期間が長いため、経口抗血栓薬の用途としては心房細動患者の脳卒中予防に次ぐ、主用途。

リンク:両社のプレスリリース(7月29日付)

更に、リジェネロンとバイエルが共同開発販売しているEylea(aflibercept)を糖尿病性黄斑浮腫の治療に用いることも承認された。ロシュ/ノバルティスのLucentis(ranibizumab)に類似した作用を持つヒトVEGFR融合蛋白で、最初は月一回、眼球に注射するが、半年経ったら二ヶ月に一回で足りる。

リンク:両社のプレスリリース(7月29日付)

今週は以上です。

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