2012年9月23日

海外医薬品ニュース週末版 2012年9月23日号




【ニュース・ヘッドライン】

  • PTCL用薬の承認申請用試験が成功
  • TH-302は全生存期間の解析はフェール
  • ベーリンガー・インゲルハイムが腫瘍学領域で初の承認申請
  • ドイツのメルクがアービタックスの肺癌適応拡大申請を撤回
  • Proliaの適応拡大が米国で承認
  • CHMPが肯定的評価(新薬:Constella、Eylea。適応拡大:Eliquis、Avastin、Votubia、Cialis)
  • Qsymiaは米国で発売、EUは承認遅延
  • FDAがビ・シフロールの心不全リスクに関する情報を公開
  • BMSの治験で死亡した患者



【新薬開発】


PTCL用薬の承認申請用試験が成功

(2012年9月21日)

デンマークのTopotarget(NASDAQ OMX: TOPO)は、PXD101(belipostat)の末梢T細胞性リンパ腫試験が成功したと発表した。開発パートナーである米国のスペクトラム・ファーマシューティカルズ(NASDAQ GM:SPPI)が実施しているもので、スペクトラムが2013年上期に米国で承認申請する見込み。

末梢T細胞性リンパ腫はT細胞の異常増殖により発生する様々なリンパ腫の総称で、年間発病数は日米欧の主要7ヶ国で15,000人。米国では新薬が続々と登場しており、09年にアロス・セラピュティクスの代謝拮抗剤Folotyn(pralatrexate)が承認された。スペクトラムは今年、アロスを買収したばかりだ。

09年に承認されたもう一つがHDAC(ヒストン・ジアセチラーゼ)阻害剤Istodax(romidepsin)で、藤沢薬品(当時)が創製しセルジーン(NASDAQ: CELG)が販売している。belipostatはIstodaxと同じHDAC阻害剤で、スペクトラムは北米とインドの販売権を保有している。

今回の試験は再発性難治性末梢T細胞性リンパ腫の129人を組入れた単群試験。1000mg/m2を30分点滴静注で一日一回、5日連続投与するコースを21日サイクルで施行した。Topotargetによると、FDAの特別プロトコル審査(SPA)を受けており客観的反応率(ORR)が20%を上回る必要があるが、ハードルをクリアした。

スペクトラム側ではプレスリリースを出していない。

リンク:Topotargetのプレスリリース

TH-302は全生存期間の解析はフェール

(2012年9月17日)

Threshold Pharmaceuticals(NASDAQ: THLD)と開発販売パートナーのメルク(XETRA:MRK)は、低酸素標的薬TH-302の末期膵癌後期第二相試験の追加解析結果を公表した。主評価項目である無増悪生存期間(PFS)の解析が成功したことが既に公表されていたが、今回の全生存期間の解析はフェールした。

この試験は、初めて薬物療法を受ける患者に標準療法であるgemcitabineだけでなくTH-302も併用する効果を検討したもの。体表面積1平方メートル当り240mgと340mgの二種類の量をテストした。PFSの解析ではgemcitabineだけの群がメジアン3.6ヶ月であったのに対して低用量群が5.5ヶ月、高用量群が6.0ヶ月となり、併用二群と単剤群のハザードレシオは0.61、統計的に有意だった。

全生存の解析もメジアン値では各群6.9ヶ月、8.7ヶ月、9.2ヶ月と2ヶ月前後の差があったが、ハザードレシオでは低用量群0.96、高用量群0.955と殆ど同じだった。

この試験では、単剤群の患者が増悪後にgemcitabineとTH-302の併用療法を受けることが認められていた。この「クロスオーバー」は偽薬群の患者にとって有利な措置であり、倫理面の配慮や治験組入れを円滑に進める意図で広く採用されている。欠点は、第一に、全生存期間の群間差が薄れてしまうことだ。もし全員がクロスオーバーした場合、実質的には、一次治療で使う方法と二次治療で使う方法を比較することになってしまう。

両社は、延命効果が顕在化しなかった原因はクロスオーバーと考えている様子だ。しかし、クロスオーバーにはもう一つの欠点がある。偽薬群の医師や患者に、早く増悪を認定してクロスオーバーするインセンティブを与えることだ。過去に行われた単剤投与試験のカプラン・マイヤー・カーブを見ると、試験薬群はプロトコルで定められた初回造影検査の前後に増悪を認定される患者が多いが、偽薬群は治療が始まるや否や、次から次へと増悪認定されていく。抗癌剤は特徴的な副作用を持っているので、偽薬対照二重盲検でも見当を付けることは可能だ。

本試験は併用試験なので対照群の患者も標準的な治療を受けることができるが、偽薬を用いていないので、治験医が望めば、早い段階でクロスオーバーすることができる。迂闊なことは言えないので一般論として言えば、私はPFSという評価項目が好きではない。

リンク:
Thresholdのプレスリリース


【承認申請・承認】


ベーリンガー・インゲルハイムが腫瘍学領域で初の承認申請

(2012年9月20日)

ベーリンガー・インゲルハイムは株式を公開していない未上場企業ながら、COPD用薬や抗血栓薬、血糖治療薬など続々と新薬を投入している。抗癌剤にも積極的に取組んできたが、遂に、第一号の新薬を欧州で承認申請した。EGFR/her2阻害剤のBIBW 2992(afatinib)で、EGFR変異型非小細胞性肺癌の一次治療薬として申請された。

Iressa(gefetinib)やTarceva(erlotinib)に次ぐサード・イン・クラス。先行品の開発は市販後も紆余曲折し、最終的に、非小細胞性肺癌の中でも変異EGFRを持つタイプだけがよく反応することが明らかになった。ベーリンガーは追いかける者の強みを生かし、このタイプに標的を絞り込んで効率的に、しかし様々な試験を行い、EGFR変異型肺線種癌の一次治療における効果が標準的な二剤併用療法よりも優れていることを第三相のLux-Lung 3試験で明らかにした。

因みにこの試験も主評価項目はPFSで全生存期間の解析結果はまだ公表されていない。非小細胞性肺癌の一次治療薬として承認を取るためには、少なくとも米国では、延命効果を確認する必要があるのではないか?別の試験でPFSは延びたものの延命効果が確認できなかったことがあるので、重要なポイントだろう。

afatinibはEGFRを不可逆的に阻害し、また、her2も阻害するので、先行品より効果が高い可能性がある。IressaやTarcevaと直接比較する試験が進行中なので、やがて明らかになるだろう。同じ理由で、先行品が無効な癌にも効くかもしれない。乳癌などで第三相試験中だ。

リンク:ベーリンガー・インゲルハイムのプレスリリース

ドイツのメルクがアービタックスの肺癌適応拡大申請を撤回

(2012年9月18日)

Erbitux(cetuximab、和名アービタックス)はEGFRに結合するキメラ・モノクローナル抗体で、作用メカニズムとしてはEGFRが発する細胞内シグナルを阻害するIressaやTarcavaに似ているが、承認されている用途は全く異なる。

IressaとTarcevaの主用途が非小細胞性肺癌であるのに対して、Erbituxの第三相非小細胞性肺癌試験はEGFR陽性だけに絞り込んだvinorelbine・cisplatin併用一次治療FLEX試験が成功しただけで、タクサン系抗癌剤・carboplatin併用一次治療試験も、pemetrexed併用二次治療試験もフェールした。米国で適応拡大申請されたが、FDAはFLEX試験を薬効のエビデンスと認めず、承認されなかった。

米国で販売されているErbituxは欧州などの製品と異なる模様であり、この点がボトルネックになったようだ。それだけに、米国外の権利を持つドイツのメルクの適応拡大申請は承認されるのではないかと思ったが、認められず、今回、申請撤回となった。

FLEXの結果がASCOで発表され喝采を浴びたのは何だったのだろう?

リンク:メルクのプレスリリース

Proliaの適応拡大が米国で承認

(2012年9月20日)

アムジェンの抗RANKL抗体Prolia(denosumab)を男の骨粗鬆症の治療に用いることが米国で承認された。骨粗鬆症性骨損壊のリスクが高い患者に用いる。骨粗鬆症は80%が女性で閉経後高齢女性に多いが、20%は男性であり、治療ガイドラインが一定の年齢になったらリスクの多寡を評価するよう推奨している。

RANKLは破骨細胞や前駆体のRANKを刺激して分化、活性化、増殖を刺激する天然のレガンド。Proliaはこのレガンドに結合して破骨細胞による骨塩流出を抑制する。閉経後骨粗鬆症の治療等に承認されているほか、投与頻度を増やして癌の骨転移を治療するための製品がXgeva(和名ランマーク、第一三共)名で承認されている。尚、多発骨髄腫の治療に用いることが承認されているのは日本だけで、米国でもEUでも承認されなかった。臨床試験で死亡リスクが対照薬より高い可能性が浮上したことが原因のようだ。

リンク:アムジェンのプレスリリース

CHMPが肯定的評価

(2012年9月21日)

EUの薬品審査機関であるEMAの医薬品評価委員会、CHMPは、9月20日の月例会議で以下の新薬と適応拡大に肯定的意見を出した。順調なら2~3ヶ月以内に承認されるだろう。

リンク:各医薬品に対する意見のリンク・ページ

新薬:

Constella(linaclotide)

メーカー:アイアンウッド/アルミラル

適応症:便秘主導型過敏性腸症候群(IBS-C)

米国のIronwood Pharmaceuticals(NASDAQ: IRWD)が創製し欧州ではスペインのアルミラル(ALM:MC)と共同開発しているC型グアニル酸シクラーゼ受容体作動剤、ConstellaがEUで初のIBS-C治療薬として承認支持を受けた。アルミラルが販売する。小腸上皮のGC-C受容体を作動して、小腸液の分泌を促進、吸収を阻害する。Amitiza(lubiprostone、和名アミティーザ)と似たイメージの薬だ。

IBS-C治療薬は、腸のセロトニン受容体を作動・阻害する薬で稀だが深刻な副作用が発覚し、承認のハードルが高くなったはずだ。その中で、Amitizaに続いて有効で比較的安全な新薬が登場したことは評価できる。胃腸疾患で首相を辞任した人が復活できるほど効果が高いかどうかは私は知らない。

リンク:IBS-C治療薬で初の肯定的評価を報じるEMAのプレスリリース

リンク:両社のプレスリリース

Eylea(aflibercept)

メーカー:リジェネロン/バイエル

適応症:滲出型加齢黄斑変性

ジェネンテックが開発し米国外でノバルティスが販売するLucentis(ranibizumab)に類似した抗体医薬。米国のリジェネロン(NASdaQ: REGN)が創製し、欧州ではバイエルが販売する。

リンク:リジェネロンのプレスリリース

尚、リジェネロンは9月21日に、FDAがEyleaを網膜中心静脈閉塞症の治療に用いる適応拡大を承認したことも発表した。

リンク:リジェネロンのプレスリリース

適応拡大:

Eliquis(apixaban)

メーカー:BMS/ファイザー

適応症、効能:非弁膜性心房細動で高リスク患者の脳卒中予防

Xa阻害剤を開発する企業にとって本命の用途で承認支持を受けた。現在の用途である関節置換術後の心静脈血栓予防と比べて、予防の意義が大きく、服用期間が長いので、大きな需要が見込める。

ワーファリンやXa阻害剤、そして直接的トロンビン阻害剤は血栓形成を妨げることによって脳梗塞のような虚血性疾患のリスクを削減する。一方で、当然のことながら、出血事故のリスクも高まる。

臨床試験は選ばれた医療施設の選ばれた医師が、厳格な組入れ条件や除外条件に基づいて厳選した患者だけを対象として、患者の容態の変化を密接に観察しながら投与する。しかし、現実の医療では、高齢で様々な病気を持ち多くの薬を服用中の患者にも投与するので副作用の発生率が高まる。臨床試験ならすぐに発見して対処できる症例でも、患者が直ぐに医師に報告しなかったり、対応を誤ったりすることもあるので、深刻な副作用の発生率も高まる。だから、臨床試験で重篤な出血事故が有意に増えなかったとしても、油断すべきではない。

CHMPは、今回、Eliquisの禁忌追加も勧告した。まず、大出血のリスク因子として、現在・最近の胃腸潰瘍、出血リスクの高い悪性新生物(癌)、最近の脳・脊髄損傷、最近の脳・脊椎・整形手術、最近の頭蓋内出血、食道静脈瘤、動静脈異形成、動脈瘤、脊髄内・脳内血管異常を列挙した。更に、一部の場合を除いて、他の抗血栓薬の同時使用を禁じた。

何れも今更という印象だが、他の抗血栓薬で出血事故が多発したことに対する警戒感、反省の表れなのだろう。

リンク:BMS/ファイザーのプレスリリース

Avastin(bevacizumab)

メーカー:ロシュ

適応症:プラチナ感受性卵巣癌

アバスチンの用途がまた一つ、広がる。卵巣癌は一次治療で白金薬に反応したら再発後の二次治療も白金薬を用いるが、このプラチナ感受性卵巣癌の二次治療にアバスチンを併用する。

EUで承認されている用途は、転移性結腸直腸癌、転移性乳癌一次治療、末期非扁平上皮非小細胞性肺癌一次治療、末期腎細胞腫一次治療、末期卵巣癌一次治療で、何れも化学療法と二剤または三剤併用する。米国では転移性乳癌の承認が取り消されたが、神経膠芽腫に単剤投与することが承認されている。

リンク:ロシュのプレスリリース

Votubia(everolimus)

メーカー:ノバルティス

適応症:結節性硬化症に合併した非癌性腎臓腫瘍の治療

mTOR阻害剤everolimusは様々な製品名で様々な病気の治療に用いられている。Votubiaは結節性硬化症治療用の欧州での製品名で、典型的な合併症の一つである上衣下巨細胞性星細胞腫の治療薬として承認されているが、今回、腎臓の悪性ではない腫瘍の治療薬としての適応拡大が支持された。

リンク:ノバルティスのプレスリリース

Cialis(tadalafil)

メーカー:イーライリリー

適応症:良性前立腺肥大

EDの治療に用いられているPDE5阻害剤を良性前立腺肥大の治療に用いることが支持された。何年も前にプルーフ・オブ・コンセプトに成功しながら、開発が遅れたのはコストが原因だろう。ED治療薬は多くの国で保険適用外であるせいか良性前立腺肥大治療薬と比べて値段が高い。特許が切れてジェネリックが発売されるまでは出番が限られそうだ。

リンク:イーライリリーのプレスリリース

Qsymiaは米国で発売、EUは承認遅延

(2012年9月18日)

ヴィーヴァス(NASDAQ: VVUS)は、肥満症治療薬Qsymiaが米国でアベイラブルになったことを9月18日に発表した。このような発表をするのは、医師が新薬を処方しても薬局に在庫がなかったら患者が困るからだ。アベイラブルになれば安んじて処方できる。尤も、Qsymiaは薬局チェーンのCVSとWallgreensのメールオーダー部門だけしか取り扱わないようだ。

ヴィーヴァスは他社が開発し医薬品として承認されている活性成分二種類を配合した合剤で、低用量で開始し、効果が不十分なら増量または治療を中止する。問屋取得価格(WAC)は低用量が月120ドル、高用量は183.9ドル。夫々の成分のGE品を二剤併用すればもっと安上がりだが、有効性は不明だ。

過去の例を見ると、GE化した成分を用いた新規合剤の売上高は芳しくない。大規模な試験を行って効果や正しい使用法を明確にすることは医療にとって重要な貢献であるはずだが、報われないのが現状である。他の二剤と異なりQsymiaを共同開発販売する製薬会社がいないのは、知的所有権が弱いことが一因だろう。医師や患者がヴィーヴァスに敬意を示すか、それとも費用を重視するか、まもなく判明するだろう。

一方、EUはQsymiaを承認しない見込みであることも9月21日に発表された。10月のCHMPで否定的評価が下る見込みだ。抗肥満薬の副作用騒動やフランスでスキャンダルが発生したことが影を落としているのだろう。

リンク:アベイラビリティーを告げるヴィーヴァスのプレスリリース

リンク:EUの審査状況に関するヴィーヴァスのプレスリリース

【医薬品の安全性】


FDAがビ・シフロールの心不全リスクに関する情報を公開

(2012年9月19日)

FDAは、パーキンソン病やレストレス・レッグ症候群の治療薬として承認されているMirapex(pramipexole、和名ビ・シフロール)の心不全リスクに関する情報伝達を行った。

複数の疫学研究で心不全の懸念が発覚したため、無作為化割付偽薬対照試験のデータを用いてプール分析を行ったところ、確かに偽薬群より多かったが有意な差はなかった(pramipexole群は4157例中12例、偽薬群は2820例中4例)。疫学研究は様々な制約があることなどから、FDAは、結論は出せないと判定。メーカー(ベーリンガー・インゲルハイムのことだろう)に検討を要請したとのこと。

この疫学研究の一つは、メーカーが英国のGPデータベースを用いて行ったもの。Mirapex服用者の心不全リスクは非服用者より有意に高かった(リスク・レシオ1.86、95%信頼区間1.21-2.85)。因みにcabergoline(カベルゴリン)も2.2倍で有意に高かった。

もう一つの研究は欧州の複数の治療データベースを用いたもので、Mirapex服用者はレボドパ服用者と比べて心不全リスクが高かった(オド・レシオ1.61、95%信頼区間1.09-2.38)。奇妙なことに、服用開始後3ヶ月以内はリスクが有意に高かったが、それを過ぎると有意ではなくなった。

これらの研究は患者が何を治療する目的で服用したのかが明確ではなく、また、心不全の診断は査読を受けていない。Mirapexは末梢浮腫のリスクを持つので、この副作用が原因で心機能検査を受け、心不全と診断される患者が増えるのかもしれない。つまり、心不全ではなく検査のリスクが高まるだけかもしれない。

何れにせよ、重要な薬なので調査研究を続けて欲しいものだ。

リンク:FDAのプレスリリース

リンク:Renouxらの疫学研究論文(PubMed)

リンク:Mokhlesらの疫学研究論文(PubMed)

BMSの治験で死亡した患者

(2012年9月15日)

BMSがC型慢性肝炎治療薬として開発していたBMS-986094は第二相試験で心不全による死亡例が発生し入院例も少なくなかったことから開発中止になった(8月5日号と8月19日号を参照)。同社は原因探求を進め、結果を承認審査機関や研究者に公表する考えだが、類薬を開発している企業は何が起きたのか、やきもきしているだろう。

そんな中、カンザスシティ・ドットコムに死亡した患者とその妻子の記事が掲載された。弁護士のコメントも出ているので薬害訴訟を踏まえたバイアスが紛れているかもしれないが、取り敢えず事実関係だけでも報じておこう。

この二十代の夫婦は二人ともC型肝炎に感染したが、医療保険に加入していないため、臨床試験に参加することになった。妻は治療に成功、ウイルスが探知不能になった。夫も治験を開始し、高用量の投与を受けたが、第5週に入ったところで嘔吐、腹痛、発汗、排尿障害などを発症。治験医は制吐剤を処方したが、妻が薬を買って帰宅する前に病状が悪化。救急車で運ばれた先で心不全と診断された。聖ルカ病院で一週間以上生命支持を受けたが8月10日に死亡した。

臨床試験が人体実験である以上、このような事件が起きるのは避けられない。私達にできるのは、被験者に予め十分な情報を提供することと、原因を解明し同じ失敗を繰り返さないことである。失敗に学ぶ上で重要なのは、事実を隠さずに共有することだ。私達一般人にとって重要なのは、過ちを犯した人を糾弾するだけに留まらず、何年掛かっても真実を解明するべく努力する人達を応援、激励しなければならない。

リンク:KansasCity.comの記事(大きなポップアップ広告が出ます・・・Closeボタンは画像の左上にあります)

今週は以上です。

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